vol.46-⑥【勘違い】変わろうとすることをやめる(後編)
- 2023年10月30日
- 所長の学び
前回の続きです。
前回最後にお話ししたのが、
「変わろうとすることをやめる」ということは
「変わらないことが正しいことだ」ということではなく、
「自分が変わり成長していくために、変わろうとすることをやめる必要がある」
ということでした。
この言葉だけ聞くと本当におかしな言葉だし矛盾しかないですよね。
でも決して矛盾はしていないですし、これまでの勘違いシリーズ全てとも繋がっています。
(実はvol.46のお話は全て繋がっているんです。それはこのシリーズの最後にご説明します)
今このブログを読んでいるあなたは「変わりたい」と思ってらっしゃいますか?
「あの人みたいになりたい」
「もっとこうだったら幸せなのに」
「もっとあんな風になれたらいいのに」
もしそんな気持ちがいつもあるのでしたら、どうしてそんな風に思うのでしょうか?
そうです。
そこには「こんな自分はダメだ」という自己否定があるからなんです。
だから「変わらなければならない」と思ってしまいます。
(表向きは「変わりたい」と言っていますが、本当のところは「変わらなければならない」「変わるべき」「変わらなきゃダメ」だと思っています)
そしてイロハに来られる多くの方が強烈な自己否定を抱えています。
この自分自身を、自分が否定し、変わるために努力する。
( ↑ これが正しいやり方だと親や教師に教えられたのかもしれません)
イロハでは、これが間違っていたと考えているんです。
だってですね、
皆さん何度も何度もこのやり方で頑張ってきたじゃないですか。
それで本当に変われたんでしょうか?
(うん。きっと変わった分もあったはず。)
苦しみは消えたんでしょうか?
そうじゃないから今もまだ苦しいままなんですよね。
ならこの方法が間違っていたかもしれないということになります。
でも子供のころからそう教えられてきたのでそれ以外の方法を知らない方がほとんどです。
もちろん金村も知らなかったからずっと苦しみの中で生きてきたわけです。
つまりですね。
変わりたいと思うのは、現在の自分への強烈な自己否定があるからなんですよね。
いやここには少し言葉が足りない気がします。
「変わりたい」の裏には「変わるべき」という思いがあって、
その奥には、「今の自分はダメだ」という強烈な自己否定があるということです。
そしてその自己否定を生むのは「他者との比較」です。
あの人みたいにできていない、あの人より劣っている、自分はあの人と同じものを持っていない、
だからあの人みたいに変わらなきゃ。
皆みたいにできていなきゃ価値がない。
そうしなければ、認められない、評価されない、愛されない、見捨てられる。
だから変わりたい。
でもでも、上手くいかない。
それなら
上手くいかない理由が必要です。
だから
病気、不幸、トラブル、問題が必要になってくるんです。
だって
「本当は変わりたいと思っているし、努力もしているけど○○のせいでできないんだもん」
「だから許して」「だから責めないで」
って。
( ↑ これは当事者の方の言葉です。過去の自分を振り返って、病気を必要としていた気持ちを教えてくれました。詳しい内容を知りたい方はvol.34-②をご参照ください)
このサイクルから抜け出すために「変わろうとすることをやめる」んです。
「変わろうとすることをやめる」ということは、
現在のこのありのままの自分を許すということです。
認めるということです。
受け入れるということです。
これを専門用語で「自己受容」や「自己肯定」と言います。
ほら?もう変わっていることにお気づきでしょうか?
変わろうとすることをやめたら、
「自己否定」していた自分から「自己肯定」できる自分に変わっているんです。
(「自己否定はダメ」ということではなく、「自己否定している自分でもいい」というのが本当の自己肯定です。)
他人との比較の中で、「どうあるべき」かで生きてきた自分から、
自分が「どうありたいか」という生き方に変わっているんです。
その時点でもう変わっている。
じゃあ、そのスタート(私の意識)が変わったら行動や結果はどうなると思いますか?
当然これまでと違ったものになります。
というか、そうならざるを得ないんです。
ほら、変わろうとすることをやめたら、スタートが変わり、行動が変わり、結果が変わっていきます。
これが「変わろうとすることをやめる」ことの意味です。
勘違いシリーズ1個目の「あきらめる」こととも繋がってきますね。
ご理解いただけましたでしょうか?
いや、きっとまだ引っ掛かりが残っているはずです。
だって、そんな理屈分かってもそうできない自分がいるからです。
明日から「変わることをやめる」なんてできない、と思う自分がいるからです。
その部分の原因について次回延長戦としてお話させていただこうと思います。
今回も長くなりました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
イロハニトイロ所長
金村栄治