vol.46-⑤【勘違い】思っていることを言葉にする(延長戦)
- 2023年10月15日
- 所長の学び
前回の続きになります。
自分の思いを語ることの大切さや、普段自分の思いを語れているようで語れていない、ということを知ったところで「じゃあ、どうすればいいの?」と困ってしまいます。
あるいは、自分の思いを伝えたのに相手を怒らせた、仲が悪くなった、言わなきゃよかった。
そんなことが起こるかもしれません。
それら全てを解決することは出来ませんが(生きることは苦労することなので)、
少しでも自分の本当の思いが相手に伝えられるようになるためのコツや知識を3つお話させていただければと思います。
もちろんイロハニトイロでも、人間関係でつまづいているメンバー方にいつもお伝えしていることです。
一つ目が
「“怒り”は二次感情」
ということです。
いきなり専門用語みたいな硬い言葉で驚かれますよね(笑)
「思ったことを言っていい」と言われて、相手への不満や怒りを言ってもいいんだと勘違いしてしまうということを前々回でお話ししました。
もちろん不満や怒りを語っていいし大切にしていただきたいと思っています。
でもですね、この怒りや不満は「本当の私の思いではない」ということを前回お話したと思います。
怒りや不満をそのままに伝えてしまうと、相手からも怒りが返ってきます。
そして相手との関係が悪くなってしまいます。
それは、怒りや不満が本当の私の思いではないからなんです。
怒りや不満は、本当の思いをごまかしているだけなんです。
だから「二次感情」という2番目の感情ということになります。
思ったことを言うというのは「本当の思い」を語るということでした。
その「本当の思い」が「一次感情」というわけです。
「一次感情」って何かというと、
悲しい、苦しい、辛い、心配、寂しい、痛い、怖い、などなどです。
いやぁーー、こういうのって人に話すの恥ずかしいんですよね。
だから私たちはついつい“怒り”でごまかしてしまうんです。
帰りが遅かった子供に親がすごい剣幕で怒るのも、本当は
「心配で仕方なかったから」です。
恋人に約束を破られて怒るのも、本当は
「自分の事を大切にしてくれていないようで悲しかったから」です。
本当の思いを伝えるってそういうことなんです。
「帰りが遅くてお母さんとっても心配したよ」
「約束を破られてとっても悲しかった」
いかがでしょう?
そんな風に言われると、言われた方は素直に相手の気持ちを受け止められませんか。
そして言った方も「本当の気持ち」が言えて楽になるんです。
ぜひ怒りや不満に支配されたときは、本当の私の思いは何だったんだろう、と考えてみてください。
二つ目は、
「アイメッセージで伝える」
ということです。
これはよく聞くことなので知っている方も多いと思います。
相手に自分の思いを伝えるときについつい私たちは「ユーメッセージ」で伝えがちです。
「ユーメッセージ」の「ユー」は「YOU(あなた)」ということです。
「メッセージ」は「伝える言葉」「伝え方」ですね。
つまり
“あなたは” や “あなたが” で始まる伝え方です。
「あなたは、こういうところがある。それが嫌なの」
「あなたが、こういうことを言ったのが嫌だった」
わぁー、これって嫌ですよね。
責められている気がしてしまいます。
「いやいやこっちだって言い分がある!」と対抗したくなりますよね。
責められていると感じると人は防衛や戦う姿勢に入ります。
だから素直に相手の言葉が受け入れられなくなるんです。
そうやって、多くの場合喧嘩に発展してまうんですよね。
これを「アイメッセージ」で伝えてみるんです。
「アイ」は、「I(私)」です。
「私は」や「私が」で始まる言葉で伝えます。
そしてここで大事なのが、気持ち(想い)を伝えるということです。
その気持ちは、怒りや不満という二次感情ではなくて、
悲しい、寂しい、辛い、心配、などの一次感情です。
「私は、そんな風にいわれて悲しかった」
「私は、信用されていない気がして悔しかった」
などなど。
そしてそれが3つ目の事に繋がってくるのですが、
アイメッセージで一次感情を含めて話ができることは、
「本当の私」の言葉を取り戻していく
ということなんです。
ついつい私たちは本当の自分の思いを語っているようで語れていません。
そしていつしか自分の思いが分からなくなっていってしまいます。
だから、自分の思いを語れるようになることは、
「本当の私」を取り戻す作業なんです。
本当の私を取り戻すって、私らしく生きることともいえます。
ほら、とっても素敵なことだと思いませんか?
でもでも、
本当の気持ちを話すのにはやっぱり勇気がいります。
だから少しずつでいいんです。
アイメッセージで自分の一次感情に目を向けて言葉にしていってみる。
それだけで周囲の反応も自分自身の生き方も変わっていきます。
ぜひ少しの勇気を出してやってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
イロハニトイロ所長
金村栄治