イロハニトイロ

vol.36-⑧【最終回】 障害者虐待防止研修でのモヤモヤの答え

こんにちは。

イロハニトイロで所長をさせていただいている金村です。

これまで7回にわたり、「障害者虐待防止」の研修に出るたびに僕が抱く心のモヤモヤが何なのかを解明するために、

自分の中にあるものを言葉にする、といういう試みをしてきました。

それも今回が最終回になります。

たいへんお待たせしました。(って誰も待ってない?)

実は、この最終回、つまり「モヤモヤの答え」と僕の中での障害者虐待防止の結論を書くことにとても時間がかかったのです。

文章を書いてみては、

う~~ん、なんかカッコつけて書いてるよなぁ。

読んだ人に認められることを想像しながら偽って書いてるなぁ。

ダラダラ自分の思いを説明して、「分かってくれ」「理解してくれ」感出てるよなぁ。

などなど。

そんなことを思いながら、アップするのをやめて改めて書き直すことにしたのです。

今回が最終回なので、金村のストレートな思いをそのままに書いて終わりにしたいと思います。

ここまで興味を持って読んでくださった方、ありがとうございました。

はい、それでは。

僕が抱いていた、障害者虐待防止の研修に抱いていた上手く言葉にできない「モヤモヤ」の正体。それは、、、

障害者虐待を無くすために頑張っていること、虐待が起こらない為の対策を作ること、

それら全てからにじみ出る「良い支援者でいないとダメなんです」というメッセージ、

それが支援者の心を苦しくさせる、

「良い支援者」を演じるために弱さが出せなくなる、

弱さを隠しダメな自分を否定しながら必死に支援を頑張る、

それが心を苦しくさせ、いつの間にか障害者虐待に向かわせてしまうのではないだろうか。

それが自分の子供への虐待の経験とそこから抜け出せた経験をした僕だから感じていた、モヤモヤだったのだと分かりました。

そんな僕が考える障害者虐待防止の為の方法の結論

「弱さが出せる職場環境を作ること」

そのためにはどうするのか。

その場を管理する人間である者(管理者)が、

弱さを見せること、

恥をかくこと、

しっかりと間違うこと、

間違いを皆の前で認めること、

迷惑をかけること、

迷惑をかけてもらうこと、

それぞれ存在の違いに助けられている事に感謝すること、

だと思うのです。

そしてそれは同僚の人達に対してだけじゃない。

ここを利用してくださっているメンバーの方々に対しても。

虐待なんて結局は自分の力や立場の違いを使って相手を傷付ける行為だと思っています。

でも傷つくかどうかなんてその人にしか分からない。

悪意が無くても傷付けている事だってある。

こちらの善意の言葉や行動が、相手には刃となっていることだってある。

それなら、その「私は今傷ついた」「あなたのその言葉が(行為が)私は辛い」が言える関係を作る努力をし続けることが大切なんだと思うんです。

これって理想ですか?

屁理屈ですか?

それともただの感情論でしょうか?

いやそんなことはないはずです。

自分の弱さを認めその弱さを見せる。

そこから全ては始まると思うのです。

障害者虐待をしないような、清い心と強い信念と温かな行動力を持つ支援者になろうとするのではなく、

自分も虐待するかもしれない弱い心を持っている自分を認め、

時に相手に抱く陰性感情を持つ自分を許し、

そんな本当の思いを表現し、

間違ったり失敗してもさらけ出せる、

そんな支援者になる方が大切なのではないかと思うのです。

そのために必要なのが、何度も言っている、

ありのままを認めてもらえる安心の環境です。

スタッフも利用者も安心と感じられる環境。

弱くてダメで失敗だらけの自分でも認め、向き合ってもらえる環境。

そこを目指していきたいと金村は強く思っています。

ここは決して達成されることはなく、常に追い続けるものだと思っています。

だから日々し続ける。追い続ける。

これで結論に至ったと思っているのですが、いかがでしょうか?

おそらく多くの疑念や抵抗感が生まれていることだと思います。

僕は現在6個目の職場であり、初めて所長という立場をいただきました。

これまでの職場でいたときの自分であれば、

きっと「こんなの理想論だ」「自分の所は良い所だっていう自慢?」「大きな組織はそうはいかないよ」などなど否定的に捉えた事だと思います。

それでも今の僕はこう思います。

あれ?自分次第だったじゃん。

自分が変わればこの僕が生きる世界は変わるんじゃん。

よし、やり続けてみよう。変わり続けてみよう。

って。

8回という長い内容を最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の内容で不快になった方がいらっしゃったら申し訳ありません。

僕とは正反対の考えややり方をする方々にも、必ず虐待防止に対する熱い思いと正義、愛があるのだと思っています。

僕と価値観が違う、方法が違う。ただそれだけです。

そんな僕とは正反対の方々からも、僕もこれから学び続けていきたいと思います。

きっとそこに多くの学びがあるから。

しかし、今回は自分の考えをしっかり言葉にさせていただきました。

ありがとうございました。

最後に、

日々学び多きことがたくさんあります。

ブログに書きたい「所長の学び」がどんどん起こっています。

それらを今後も言葉にしていきたいと思いますのでご興味のある方はまた読んでやってください。

       イロハニトイロ所長

            金村栄治