イロハニトイロ

vol.38―① 変わり続ける考え

こんにちは。

イロハニトイロで所長をさせていただいている金村です。

こちらではいつも「所長の学び」として、金村が学んだことを自由に書かせていただいています。

今年の1月、2月と作業療法士を目指してる学生さんが5人も実習に来てくださいました。

その学生の一人からこんな質問が出てきました。

「金村さんはどうしてそんな考えになったのですか?」

「昔からそうだったのですか?」

学生がそう思うのも無理ありません。

イロハニトイロで体験することはこれまでの価値観とは全く違うものだからです。

いや、まったく逆のもの、といっても過言ではないでしょう。

「頑張らなくていい」って言われるし、

「あきらめていい」って言われるし、

「迷惑かけていい」って言われるし、

「間違っていい」って言われるし、

「サボっていい」って言われるし、

「好きにしていい」って言われるし、

実際お喋りしながら仕事したり、

スタッフとメンバーが大笑いして話をしています。

学生さんからしたら大混乱ですよね。

もっと必死に頑張って、努力して、作業技能や対人技能を身につける練習をして、

一般企業に就職できるように支援していくべきじゃないか。

それが就労支援じゃないのか。

それが訓練施設じゃないのか。

それが作業療法士の役割じゃないのか。

その方法を学びに来たはずなのに、

「あなた(学生さん)がしたいようにしていいよ」

「相手を変えようとしなくていいからね」

「帰って勉強してこなくていいよ。ちゃんと休むんだよ。遊ぶんだよ」

「客観じゃなくあなたの主観を大切にするんだよ」

「間違っても失敗しても、メンバーさんを怒らせてもあなた(学生さん)の評価は下がらないよ」

「むしろ、失敗できるあなたは素晴らしいんだよ」

と言われてしまいます。


それはもう、初日は不安だらけのようです。

でも実習が終わるころには、賑やかに騒いで自分らしさを見せてくださいます。

そうやって2週間の実習で、最終的には大きな気付きと学びを持って帰ってくださっているようです。
(「あぁ、よかった」とホッとする金村がいたりします。)

まあ、その学びのほとんどを与えて下さっているのがメンバーの方々なんですが、今回はその話は置いておきます。

なぜイロハがこんな他の事業所とは違う考えになったのか。

そしてそこを管理する責任を負っている金村がなぜこんな考えになったのか。

お!これは一度きちんと書き記しておくべきではないのか、と思い今回書き始めました。




もちろん、多くの本の影響もありますが、やはり一番は僕自身の実体験によるものがとてつもなく大きいです。

実は昔の僕は、今とは正反対です。

とってもカッコいいんですよ(笑)

支援とはこうあるべき、

作業療法士とはこうあるべき、

を強く持っていましたし、経験も積んで(臨床経験15年)、たくさんの知識と技術、そして大きなプライドも持っていました。

僕が困っている人を助けたい、もっと生活や人生を良くしたい。

そんな人たちの役に立てる知識と技術をたくさん持っている。

そして、温かく寄り添い一番の理解者でいてあげたい。

心を閉ざしていても熱い心で向き合えばきっと相手に通じるはず。

あきらめずに関わり続ける。示し続ける。伝え続ける。

そんな風に思っていました。

ね?カッコいいでしょ?

たくさん勉強して、たくさんの武器(○○療法。△△理論など)を手に入れて、支援者として成長してるって思い込んでいました。

しかし、

それら全てを捨て去り、0(ゼロ)から再び新しい視点で学び直す。

そんな大きな出来事が5年前にあったんです。

そうです。

まだまだ5年の歩みです。

だから日々学び続け、変わり続けているんです。

その学びをブログに「所長の学び」として書いていっているというわけです。

次回その「僕の考えを一変させた出来事」について詳しくお話しさせていただきたいと思います。

もちろん、イロハニトイロのブログで書いている事なので、今のイロハに大きく影響を与えていることになります。

ぜひ興味があれば読んでやってください。

        イロハニトイロ所長

             金村栄治