vol.44-⑥【対話】正しさが苦しめる?
- 2023年04月24日
- 所長の学び
こんにちは。
前回の続きになります。
人間は「頭」と「心」が対立していて、
「心」と「体」がイコール(一心同体)だというお話をさせていただきました。
(頭 VS 心 = 体)
そして「心」と対立している「頭」は、「ウソの心」を創り出すのが上手で、それが私たちを苦しめている原因なんだ、というお話をさせていただきました。
そしてそして、最後になぜ「ウソの心」を「頭」は作り出してしまうのか?という疑問を持ったところで前回は終わりました。
今回はその答えをお話ししたいと思います。
「頭」は「~すべき」「~すべきでない」などの考える理性の場なのですが、
この「~すべき」「~すべきでない」の元となる価値観はどこから来たと思いますか?
そうです。
それって、親から植え付けられたものです。
あるいは、先生や先輩、友達など自分の大切な人から植え付けられたものなんです。
そして、親や先生や先輩、友達なども同様に、その人の周囲の人たちから植え付けられています。
そしてそして、テレビや広告などのメディアからもたくさんの価値観を植え付けられています。
それを植え付ける背景にあるのがその国の文化だったりします。
(だから国や民族によって価値観が正反対だったりします。ということは絶対的な正しさなんてないのですが…)
そして、そこにはいつも「正しさ」があります。
「こうすることが正しい」「こうすることは間違っている」
その正しさが「~すべき」「~すべきでない」の考えを強め、どんどん「頭」中心の生き方になっていきます。
でも「心」はどうなんでしょうか?
「~したい」「~したくない」「好き」「嫌い」など感覚的なものでした。
何度も言うように、「頭」と「心」は対立するわけです。
ほんでもって「心」の声ってすっごく子どもっぽいし、世間でいうところの「悪いこと」「ゲスいこと」だったりするんですよね。
(わーーー恥ずかしい!! 人に言うと笑われる、嫌われる、と思うような事だったりします)
「仕事行きたくな―――い」なんて社会人としてふさわしくない。
「誰とも話したくな――い」なんてそんなわがまま言ったらだめ。
「あの人嫌い。関わりたくない」なんて通用しないのが社会だ。
みたいな。
そんな「頭」の価値観がどんどん「心の声」を聞こえなくしていってしまっているんですよね。
そして自分(頭)に都合のいい言葉に変えてしまうんです。
(真面目で優しくて頑張り屋さんな人ほどそうなっちゃいます)
例えば、
「本当は仕事行きたいのに・・・」
「本当はたくさんお話ししたいのに・・・」
「本当は、あの人と仲良くしたいのに・・・」
って具合に。
この頭で考えた「~したい」を「自分の心の声」だと思い込んでしまうということです。
(本当は頭が作り出した「ウソの心」です)
だから私たちの多くの人が、自分の心の声を聞けていないんです。
自分の心の声を無視し続けて心の病気になったのに、
それでもまだ心の声を聞こうとしないんですよ。
「頭」で考えて「病気治したい」「良くなりたい」って思っているんです。
とってもおかしな話ですよね。
目の前の苦しさを薬で誤魔化して、さらに心の声が聞けなくなっていく。
冷静に考えれば考えるほどおかしな話ですよね。
(この苦しさは理屈じゃないし、当人にしかこの苦しみは分からないので簡単に扱ってはダメなのですが、冷静に整理してみると少し楽になりませんか?)
「良くならなきゃ」
「病気治さなきゃ」
「社会復帰しなきゃ」
「人と上手くやらなきゃ」
そうすべき!!!
そうしなければならない!!!
???
??
?
うん。わかるわかる。
わかるんだけど、
うん、これをやめてみませんか。
自分の「心の声」をちゃんと聞く事をぜひ大切にして欲しいんです。
そしてその声を自分の声で、自分の口で、自分の言葉で語っていっていただきたいんです。
(少しずつ「対話」に近づいてきましたね)
それでは最後に、「ウソの心」に騙されず「本当の心」の声を聞く方法をお伝えして終わりたいと思います。
それは
「体」に意識を向ける
ということです。
「仕事に行きたいのに体が動かない」
そんな時は、
「仕事に行きたい」はウソの心でしたね。
体に目を向けてみると、「体が動かない」。
「心」と「体」は一心同体なので、この時の「心の声」は
「仕事に行きたくな――い」です(前々回にも説明しました)。
まずはそんな「本当の私」の気持ちに私自身が気付いてあげることです。
そしてそれに気付けるともう一歩先に進むことができます。
「どうして私は仕事行きたくないんだろう?」って。
「あ、そうだ! あの上司にまた怒られるのが怖い。これ以上傷つきたくない。もうたくさん頑張って来てヘトヘトなんだ。」
って気付けるかもしれません。
それが“心の声を聞く”ということです。
なのに、ついつい頑張り屋で真面目な人(昔の金村もそうでした)は、栄養ドリンク(薬など)で誤魔化したり、
「みんなも出来ているのに自分ができないなんてダメだ」と
自分を律してさらに追い込んだりしてしまうんですよね。
体(=心)が「苦しいよう。もうやめよう。」っていう危険サイン(不眠、頭痛、食欲減退、倦怠感など)を出してくれていても、それを無視してしまうんですよね。
心はちゃんと健康であろうとしている。
ちゃんと自ら治ろうとしている。
なのに、「頭」の「こうあるべき」が邪魔をしてしまうんです。
そして自分もそちらを優先させてしまいます。
そして、苦しみのループ!
・・・
今日も長くなってきたのでこのくらいで終わりにしたいと思います。
次回は、なぜ本当の自分の声を失ってしまったのか、についてお話しさせていただければと思います。
イロハニトイロ所長
金村栄治