vol.49-53 支援者が障害を作っている?!

病気を望む(1)
前回の続きです
病気を治すのではなく、
病気を必要としない生き方を取り戻す
だから相手を良くしようとする支援をしない
そんな姿勢で利用者さんらと関わっているとあることに気付くのです
それは、
病気を望んでいる人がたくさんいるということです
口では
「病気を治したい」
「助けてほしい」
と言いながら本当はずっと病気でいたい
良くなると困る
助けられたくない
決してその人たちがウソを言っていると言いたいのではありません
きっとご本人も
「病気を治したい」
と本心で言っていると思い込んでいると思います
いや、もっと正確に言うと
ご本人も自分にウソをついていることに気付いていないということです
やっぱり本当の自分に向き合うことは苦しいことですから
「自分を許す」のは怖いことです
自分が病気を選んでいるなんて絶対に認めたくないです
そういう方々を見ていて、今の僕はそれでいいんじゃないのかなと思っているんです
きっと今のその人にとってはそういった人生が自分の望む人生だからです
そして
決して私たち支援者が助け上げることはできないからです
私たち支援者は、横を歩いて手を貸すことしか出来ないのです
人生を代わりに生きてあげることもできません
首に縄を付けて引っ張っていくようなことはしません
だって、
悪くなりたい事、病気でいたいことを否定するのであれば、「ありのままに認める」なんてウソになりますから
でもですね
そうなってくると「支援て何?」ってなってきますよね
変えようともしない
助け上げようともしない
支援しようとしない
なら私たち支援者の存在は?
全てを自己責任で片付けて何もしないことなの?
私たちイロハニトイロのスタッフはこのように考えています
「支援しようとする」ことを捨てた先に本当の「支援」がある
つまり
「支援しないという支援」
を大切にしているのです
次回から、その意味を説明して、この長い長いvol.49を終えたいと思います
もう少しお付き合いください
イロハニトイロ所長
金村栄治