vol.49-㊽ 支援者が障害を作っている?!

病気を治そうとするから治らない(8)
支援者が障害を作るというのは、違う言い方をすると
「支援者が病気を治そうとするから治らない」
ということでもあります
え?でもそれが仕事ですよね?
病気を治そうとする
障害を無くそうとする
それがダメだと言われたら何も出来なくなりますよね
違うんです!
そういうことではないんです!
病気を治すために病気を治そうとすることをやめるんです
意味分かりませんよね
これまでに話した事ともかぶりますが、そのあたりのお話しをさせて頂ければと思います
支援者が病気を治そうとすること、良くしようとすることは見方を変えると
今のそんなあなたはダメだ
ということになります
「そんなわけない!良くなるために患者さんは支援を受けているんだ。求めているんだ。
良くなりたいに決まっている。
そのお手伝いをするのだから良くしたいと思うのは当然のこと!」
という怒りの声が聞こえてきそうです💦
そうですね
この方の病気が良くなってほしい
生活が良くなってほしい
人生が良くなってほしい
と思うのは当然のことです
これは支援者の「願い」として胸に秘めておくことは大切なことですし、
これがないと支援という仕事なんてできないだろうと思うのです
「願い」を持って関わる事と
「良くしようとする」ことは実は違う
とおもうんですよね
前回お話しした犬の例が分かりやすいですね
犬を救いたい願いは持っている
だから救おうとした
でも良くしようとお世話すればするほど悪くなっていった
だから犬を良くするためにお世話をすることをやめた
そうするとどんどん良くなっていったわけです
犬も、人間からエサもらいたい、撫でてもらいたい
でもそれが病気を悪化させていたわけです
「願いを持つ」ことと、「行動」を分けて考えるということです
支援のお話しに戻ります
支援者が患者さんを良くしようとするとはどういうことか、というと
自分の価値観の上での良い方向へ変えようとする
ということです
例えば妄想が激しいと、妄想を修正しようとしてしまいます
それ被害妄想だよ、と気付かせようとします
幻覚が見えると、幻覚を無くそうとします
幻覚だと教えようとします
昼夜逆転していると、昼夜逆転しないようします
昼夜逆転を直さないと学校や仕事に行けないと伝えます
自傷行為をしているとやめさせようとします
自傷行為に変わる方法を提案します
お金を散在しているとお金がきちんと使えるように管理します
言い出したらキリがありません💦
でも患者さんのこれらすべての行為が健康になる為の過程だとしたらどうでしょうか?
その健康になる過程を阻んでいるのは、誰?
それが健康になる過程のはずなんてない?
長くなってきたので次回続きを話させていただきます
イロハニトイロ所長
金村栄治