vol.49-㊳ 支援者が障害を作っている!?

自立させようとして自立を妨げている支援者(5)
私たちが支援で大切にしなければならないのは、
患者さんに苦労させないこと
ではなくて
生きる苦労を取り戻すこと
だと思っています
だって、私もあなたも、あの人も、この人も、芸能人もスポーツ選手も漫画家も政治家も、
み~~~~んな苦労をしながら生きています
“生きる”ということは苦労することです
病気の方や家に引きこもっている方も苦労をしていますよね
苦労は苦労でも、別の苦労をしています
そんな病気の苦労から
「自分の人生を生きる苦労」に変えていく
苦労を取り除くのではなく、苦労をサポートすることが支援者の役目ではないのかと思っています
↑
すみません💦
自分の考えを押し付けすぎました💦
でもこう考えると、もうひとつの疑問が浮かんできます
支援者の中には、
「○○さん(患者さん、利用者さん)がそうしたいといったのでしてもらいました」
「○○さんが、そっちがいいと言っていたのでそうしました」
「○○さんがそうされないのであればそうしてください」
と全て、患者さんの言うとおりにするという支援者もいらっしゃいます
それじゃあ、これは良いことなのか?
きちんとその人の選択を尊重し、愚行権を認めて、
失敗や間違いを経験して自立に向けての支援をしている、
そう本当に言えるのか?
皆さんの考えはいかがでしょう?
僕はやっぱり違うと思うんです
だって結局、
「あなたがそれを選んだのよ」
と言っているのと同じだからです
根本的には、前回までのお話と同じです
つまり、
患者さんに正しさを押し付けて支配する支援者も
患者さんに決定を丸投げする支援者も
結局のところは同じ
自分の責任にしたくない
自分が悪いと思われたくない
自分の価値を下げたくない
そんな思いで自分を守っているだけ、
そう僕は考えています
厳しいこと言ってますかね?
またまた子育てに例えてみると
全て親の思い通りに育てようとする
その通りにならないと、「悪い子」としてそれに悩む良い親を演じる
これが前回のお話と同じです
逆に
子供に無関心で、勉強しなかろうが夜更かししようが、食事をきちんと摂らなかろうが無関心
そして何か起こっても「あなたがそれを選んだんでしょ」「だからあなたが悪い」
とする
これが今回のお話です
分かりますよね?
僕がお伝えしたいことが
子育てに例えるとそのおかしさに気付けるんですが、支援となるとどうもそれが分からなくなりがちです
やはりそれが“仕事”だからでしょうか
お金をもらっているからでしょうか
お金をもらっているから、その対価として何かサービスを提供しなければならない
そんな風に考えてしまうからでしょうか
また次回続きをお話できればと思います
最後まで読んでいただきありがとうございました
イロハニトイロ所長
金村栄治