vol.49-㉕ 支援者が障害を作っている!?
- 2024年10月28日
- 所長の学び
病気を治そうとするから病気になる
支援者(セラピスト)の方って病気を治そうとしてしまっていませんか?
「いやいや、精神病は完全には治らないもの。一生付き合っていくものであり、そんなあなたでどう生きやすくなるのかを支援するのが私たちの仕事です。」
と考えている方も多いと思います。
あるいは、
「病気の事なんてあまり重要にしていません。
病気を良くするのは薬です。
それよりもその方の生活がより良くなることが大切です。
その支援をするのが私たちの役目です。」
という方もいらっしゃると思います。
どちらも過去の僕(金村)の考えです。
ほら、お気づきですか?
病気の事は気にしていない、仕方ないもの、だと言いながら結局病気にこだわっているんです。
病気は良くないことだというニュアンスを帯びています。
そして、心のどこかでそんな病気を治そうとしています。
結局、無意識(いや、意識的にかもですが)に「病気の人」と「そうでない人」と分けているんです。
そして病気の人を見下している。
憐(あわ)れんでいる。
嫌な野郎ですね(笑)
「気にしていない」と言いながらめっちゃ気にしている。
例えるなら、
「私は、流行(はや)りのものとか気にしてないんです。だから流行のものは買いません。」
と言っている人と同じです。
実はこういう人が一番流行(はや)りを気にしているんです。
「私、自分の事好きだよ」ってアピールしている人ほど人からどう見られるかを気にしていて、実は自分が嫌いなんです。
(実はナルシストは無意識に強い自己否定を抱えている人です)
面白いですよねぇ。
こんな風に、発する言葉や態度は、本心の反対となっていることがよくあります。
(言っている本人も無意識でしょうけど…)
病気であることは不幸なことで、病気が無いことは良いこと。
病気のせいで生活が悪くなっている。
病気が無くなればいいけど無くならない。
それなら病気以外のところにアプローチして、生活を良くしていくお手伝いをしよう。
支援者の人って、そんな風に考えていないでしょうか。
もしもこの考えが病気を生み出しているとしたら?
障害を作り出しているとしたら?
・・・?
以前にもお話しました。
今のその人にとって必要だから「問題」は起こっている。
「問題の人」なんてこの世にいない。
その人がそれを「問題」と思っているだけ。
誰もが問題だらけで生きている。
重要なのは他人がその人の問題を見つけることではなく、その人の課題を明らかにすること。
共に課題に向き合うこと。
そんなお話をしました。
病気についても同じことが言えるかもしれません。
病気はその人にとって必要なもの。
その人自身を守っているもの。
その人自身が作りだしているもの。
そんな風に捉えなおしてみませんか?
そうするといかに自分たち支援者が病気を悪化させているか、障害を作り出しているのかが見えてきます。
その辺りのお話をしていければと思います。
イロハニトイロ所長
金村栄治