vol.49-㉓ 支援者が障害を作っている!?
支援の方針を他人が決める(4)
結局私たち支援者は、
精神障害当事者の方を劣った人として見ています。
弱い人だと見ています。
おかしな人だと見ています。
間違っている人(間違いをする人)だと見ています。
そして、なぜか支援者は優れていると思っています。
強いと思っています。
正常だと思っています。
正しいことをしていると思っています。
その視座(物事を認識する時の立場)が、支援者が障害を作るに至っていると思うのです。
その視座を変えてみるというのが僕の提案です。
支援者として関わっているこの私自身が、
いかにおかしくて、
いかに弱くて、
いかに間違いだらけで、
いかに失敗だらけで、
いかに人に支えられながら生きているのか、
そのことを自覚することが大切だと思っています。
自分の今後の人生を自分以外の誰かが勝手に方針を決めて、
「あなたはこういうところが間違っているから、こうしていきましょう。」
と言われたら?
きっと自分であれば憤慨するはずです。
憤慨まで至らなくともとっても見下された思いになります。
人としての尊厳を奪われた気持ちになります。
そして、その方針が正しければ正しすぎるほど、それができていない自分が惨めに思えてきます。
(親にそう扱われてきた人もいるのでは? 僕はそうでした。だから大人になってもずっと苦しみ続けてきたわけです。)
自分だってそうなのに、「支援者」という正義の衣を羽織った途端に立場を変えて同じことをしてしまっているんです。
おかしなことですよね。
相手の思いを聴く。
それでも本当の事は分からない。
話がコロコロと変わってしまう。
気持ちもコロコロと変わってしまう。
それでいいんです。
それが当然なんです。
そんなのも含めてOKとする。
むしろそれは大切な過程なんだと認識する。
そして思いを聴き続けながら、支援者側(私)も話したいことがあれば支援者としての思いも語り続ける。
(相手を正すための言葉ではなく。自分が感じている不安や思いを自分の事として表現する)
そうやってしながら本人と共に考えていくしか無いように思うんです。
でも、
そう分かっていてもできていない、弱くてダメな自分(金村)に度々出会って嫌になります。
支援者はきっと相手を変えようとするのではなく、自分が変わることを努力するべきなんだと思います。
でもそれが実は一番怖いんですけど。。。
イロハニトイロ所長
金村栄治