イロハニトイロ

vol.49-⑲ 支援者が障害を作っている!?

支援の方針を他人が決める

支援者が障害を作っている話はまだまだ続きます。

今回は、支援の方針を他人である支援者が決めるということについてです。

「はぁ?何言うてんの?」

「支援は、支援のプロが話し合って決めるものでしょう!」

「一方的になんて決めていません。本人の思いや意向をしっかりと聞きとって支援計画に盛り込んでいます。インフォームドコンセントなんて当たり前!」

※インフォームドコンセント:患者が自分の健康に関する重要な意思決定を行う際に、十分な情報に基づいて自由にかつ明確に同意をすることを意味します。

そんな声が聞こえてきそうです。

あるいは、こんな考えはありませんか?

「自分でどうすればいいかが分からない、自分で判断ができないからこそ障害者なんだ。

だから知識と経験を積んだ支援者の自分たちがある程度提示して誘導していく必要がある。」

「本人に全て委ねてしまうことこそ支援者の責任放棄だ!」

「困っている人を助けるのが私たち支援者の役割なんだから、より良い方向へ導いてあげないといけないでしょ!」

いやぁーーー、僕もそんな考えが強く強くあったんです。

だからここに書いたのは以前の僕の気持ちです(笑)

ちょっと視点を変えてみたいと思います。

自分が支援される側だとしてみますね。

自分でもこの今の苦しみをどうしたらいいのか分からない。

助けて欲しい。

みんなと同じような生活ができるようになりたい。

以前のような生活に戻りたい。

そんな思いで支援を受けます。

いや、ちょっと待ってください!



ここ!

ここ!

支援は自分で求めたものなの?

ここからすれ違いが起こっている気がするんです。

例えば風邪をひいて、苦しくて病院に行った。

それは、この体のしんどさを専門の人に診てもらって治して欲しい。

そう願って自ら病院に行き、

プロ(専門家)の意見を聞いて、薬を出してくれたり、必要な施術を受けられます。

そして自分も説明を聞いて同意しているわけですからこれでOKです。

まさにインフォームド・コンセントです。

でもこれが、自分が望んでいなかったらどうでしょうか?

風邪は“体の浄化作用”であり、より自分の体を健康的にするための自然な営みである、と自分が思っていたとしましょう。

(実際、金村はそう思っているので風邪では病院にいかないし、薬も飲みません。次の日にどうしても大切な用事があれば薬で症状を抑えることはあります。)

この私は、この“体の浄化作用”をしっかりと受け止めて、より健康的になりたいと望んでいるわけですが、

医者がやって来て、

「あなたの病気はこの薬で治ります。だからしっかり食後に欠かさず飲んでください」

と言われたら、

なんでやねーーーーん!

となります。

誰が飲むか!

てか、あなたなんで来てんねん!

求めてないし!

笑笑

となりますよね。

だってこれは風邪だからです。

部屋にこもっていれば誰にも迷惑かけないし、時間が経てば治るからです。

(重症の場合は別です)

こんなの当たり前ですよね。

じゃあ、心の病になった人はどうなんでしょうか?

続きは次回に話させていただければと思います。

        イロハニトイロ所長

            金村栄治