vol.49-⑤ 支援者が障害者を作っている!?
- 2024年03月11日
- 所長の学び
【 不思議体験(続き3)】
ここからが僕の「不思議体験」のメインとなります。
当時担当していた利用者さんらに謝罪して回り、いかに僕が皆さんを苦しめていたかを教えてくれたのです。
例えば、
僕が、利用者さんの今のしんどさを聴かせていただいて、「少しでも前向きになれればいい」と願っていることで発せられる態度や言葉。
それらが、相手にとってはとても苦しくて仕方がない。
悲しい時は悲しいままで居させて欲しいのにそれすらも否定された気分にさせられる。
あるいは、
僕の「これからどうしたいですか?」「どのようになりたいですか?」「何かできることはありますか?」などの質問には、
返して欲しい言葉がいつもあって、
それに沿ったものでないと認められていないような態度が見える。
それを敏感に感じ取って、金村が求める返事を探し始めてしんどくなる。
などなどです。
本当の気持ちなんて話しても否定されるだけだから話せない。
(もちろん、あからさまな否定などではなく雰囲気として「あ、これダメなんだな」と思わせるような態度や言動です。)
結局支援者の正しさに支配されていくしかない。
そんな状況だったのだと知りました。
これまで僕が信じてきたこと、
僕が学び、身につけてきた知識や技術、
それら全てが、目の前の人の害になっているんだとしたら・・・。
とってもとっても怖いことだけど、
絶対に認めたくないことだけど、
もしかしたらそうなのかもしれない。
そして、その時の僕にできることは、これまで学んできたこと、正しいと思ってきたこと、
それら全てを捨てることでした。
“相手を変えようとする” 武器や
“自分をまもるため” の鎧を
捨てることでした。
これがもう怖くてたまらないわけですよね。
自分の価値が無くなってしまったような、そんな恐怖を感じるのです。
そうやって、武器を捨て、鎧を脱いだ金村という一人の人間として訪問させていただき、
変えようとするのではなく、ありのままのその人をたくさん教えていただき、「それでいい」と認め、共に喜び、共に悲しみ、共に怒ることにしたのです。
すると、不思議なことが次々と起こっていきます。
半年以上通っても変わらなかった利用者さんたちが、たった数日でどんどん変化していくのです。
僕が何もしなければしないほど、利用者さんたちが変化していく。
それもどんどん良い方向に変化していく。
僕の目からは“奇跡”と呼べるほどの出来事が何度も何度も起こっていくのです。
(当時は起こることが不思議すぎて“奇跡”のように感じていました。今となってはその仕組みも分かり「当然のこと」だと思えています。)
目の前に精神障害者を作っていた犯人はこの僕だったのです。
目の前に問題を作り出していた犯人はこの僕だったのです。
「あなたの為」という嘘の愛で、目の前の人を否定し苦しめていたのはこの僕だったのです。
次回、実際に起こった奇跡のような出来事を再度簡単にお話させていただきます。
(以前のブログでもこの内容については書かせていただいています)
イロハニトイロ所長
金村栄治