イロハニトイロ

vol.46-②【勘違い】あきらめていい(後編)

「後編」では、イロハで言っている「あきらめていい」の本当の意味を話させていただきます。

どこまで説明できるかは分かりませんが、少しでも読んでいただいた方が「なるほど!分かった!」と思っていただけるように頑張りたいと思います。

まず、私たちが「あきらめる」を誤解してしまうのは、「あきらめる」の本来の意味を間違って理解しているからです。

多くの方が、手放す、投げ出す、中断する、中途半端にする、頑張らないこと、のようなネガティブな意味で理解しています。

だから「あきらめること」は悪いことのように思い、あきらめずに頑張り続けていると思うんです。

そうやっていつもあきらめられないから、いつしか追い詰められて全てを投げ出したり、自死を考えたりするようになってしまいます。

つまり最終的に「自分の人生をあきらめる」ってことですよね。

あきらめられず頑張りすぎて最終的に人生すらもあきらめてしまう。

イメージすると、目の前に分厚い壁があって、

それを体当たりして打ち破ろうとして、

でも壊せなくて、

でもあきらめられずずっと体当たりしているうちに体がボロボロになって、

もう何もできなくなる。

そんな感じでしょうか。

一方でイロハニトイロで伝えている「あきらめる」は本来の意味の「あきらめる」です。

本来「あきらめる」とは、

「明らかに見る」という意味があります。

物事を「明(あきかにして認める

が縮まって「あきらめる」という言葉になっています。

つまり、本来はネガティブな言葉ではなくて、

ありのままの自分(現状)を認め、受け入れて前に進もう、というポジティブな言葉なんです。

出来ないことは出来ない。無理なものは無理。

「だから何もしない。」

ではなくて、

そういう事実を認め受け入れて、

他のできることを探していく、ということです。

先ほどの分厚い壁の例えで言うのであれば、

「あぁ!これは体当たりでは壊せないんだ」ということを認める

じゃあ、どうすればいいか?

別のできることを模索する

道具を使う?

助けを呼ぶ?

方法を変える?

そもそもその壁を壊そうとしない?

いろんな方法を試せるようになるんです。

ほら?!あきらめてなんかいないでしょ!

どうにかしようとしている。

できないことを嘆くのではなく、

できないことを認め受け入れて、できることを模索していく。

(ニーバ―の祈りと同じですね。
「神よ 変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。 変えることのできないもについては、それを受け入れるだけの冷静さを与えたまえ。 そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを識別する知恵を与えたまえ」)

それでは話をイロハに通われる方々に戻してみたいと思います。

多くの人が

「私は○○ができない」

「私には○○(障害)がある」

「私は○○(容姿)だから、私なんて」

「私はあの人みたいにできない」

「私は・・・」

そうやってご自身の欠点を主張しながら、一方でそれをどうにかしようとしています。

(どうにも出来ないことを本人は実はどこかで分かっていて、上手くいかない現状の言い訳にしていたり、あるいはこんなに変えようと頑張っているから許して、と自分を認めてもらうための行動だったりします。でも現状は実は変わってなんかいません。)

もっと言うなら「THE健常者」という幻想を自分の中で作って、他人(理想の健常者)と同じようになれることを望んでいます。

(他人は無数にいて同じ人は一人もいないんだけど、なんとなくの一般的な人を思い浮かべます)

そうやって、常に自分を否定しながらあきらめられずに過ごしている方が多いように思います。

少しキツイ言い方ではありますが、金村自身が実際そう生きてきた体験でもあるので許してください。

「あきらめる」って言うのは、それをやめましょう!ってことです。

だってずっとそれで苦しいままなんですよね。

まずはこの欠点だらけ、

つまり、ダメで情けなくてゲスい自分をありのままに認めて受け入れてあげませんか?

許してあげませんか?

いや、受け入れることは難しくても、まずは他の人みたいになろうとすることをやめてみませんか?

それが「自己受容」というものです。

それが自分を大切にすることであり、

自分を愛することです。

だからちゃんとあきらめることを大切にしているし、

ここが人生の出発点になることをお伝えし続けているのです。

どうして「出発点」なのかは、今後お話していく中で分かっていくと思います。

あきらめられた人は、美しい

あきらめられた人は、たくましい

あきらめられた人は、人生をあきらめない

本当の「あきらめる」ができた時、人生は変わり始めると信じています。

        イロハニトイロ所長

             金村栄治