イロハニトイロ

vol.46-⑤【勘違い】思っていることを言葉にする(前編)

勘違いシリーズ4個目です。

ここもとってもとっても勘違いされやすいところなんです。

きっと詳しい説明が必要なんだろうなと覚悟しながら書き進めています。

イロハニトイロでは、

「あなたが感じていること考えていることを言葉にしてみてください」

「あなたの思いを聞かせてください」

「思っていることを言葉にしていいんですよ」

と何度も何度もお伝えしています。

(※話せない人には筆談で)

イロハに来た当初は、そう言われても黙ってしまって自分の思いを話せず、

「(スタッフは)分かってくれない」

「(スタッフは)話を聞こうとしてくれない」

と言っていた方が、今ではたくさんの思いを聞かせてくれるようになっています。

イロハニトイロで過ごす中で少しずつ自分の思いを言葉にして表現してくださるようになるんです。

自分の思いが話せず、自分の世界に閉じこもっていた人が、こうやって言葉で表現してくださることはとってもありがたいことですし、そばで見ていてとても勇気づけられます。

しかし、ここで大きな勘違いをされる方がいらっしゃいます。

「思ったこと言っていいんですよねぇ」

「自分の思いや考えを大切にしていいんですよねぇ」

と言って

「あの人が嫌い」

「あの人の声が耳障り」

「なんで金村さんはそんなことするんですか。ひどいです」

「なんで私はこんなに我慢しているのにあの人にも我慢させないんですか」

などなど、不満や攻撃の言葉を言うようになる人がいらっしゃるんです。

僕はよく「ウンコぶつけられた」と表現するんです。

ま、これは面白く表現しているだけなんですが、その言葉の真意は、

「本当のその人の思い(食べ物で言うなら胃の中のもの)ではなくて、

別のものに変化させて(消化されて排泄物に形を変えたウンコ)伝えているだけ。」

ということです。

「思ったことを言っていい」

をその言葉通りに受け取ると、まさに今この瞬間の感覚のままに言葉を投げつけるになってしまいます。

だから、この人は間違っていないんです。

スタッフの言葉通り実行されているわけですから。

でも「思ったことを言っていい」の真意は伝わっていないんだなといつも感じています。

これを読んでくださっている方の中にも、

「どういうこと?」

「じゃあ、思ったこと言っていいなんて紛らわしいこと言うなよ」

「あぁ、なるほど。汚い言葉や相手を攻撃する言葉を使うなってことか」

「それじゃあ、それは思ったこと言っているのとは違うじゃん」

と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ここってスタッフも理解していないのかな、なんて心配になっていたある日、

あるスタッフからこんなことを言われました。

「“思ったこと言っていい“っていうのは、○○ってことですよね。

不満や文句をぶつけて攻撃しているのって思ったこと言っていないですよね」

おぉーーーーーー、ちゃんと理解してくれている。

他のスタッフも同様でした。

ちゃんとこの言葉の真意を理解してくれているんです。

それはスタッフ間で「思ったことを日々言い合えているから」だと思うんです。

それでは、「思ったことを言っていい」の真意は何のかを次回、言葉にしていきたいと思います。

ぜひ次回も読んでいただければ嬉しいです。

        イロハニトイロ所長

             金村栄治