イロハニトイロ

vol.46-⑨【勘違い】イロハは自由です(後編)

イロハニトイロの考える「自由」とは何なのか?

きっと皆さんは、「思い通りに好き勝手できること」だと勘違いされていることだと思います。

それは「自由」ではありません。

むしろ「不自由」な状態です。

福沢諭吉は自由とは

「自(みずか)らをもって由(よし)となす」

と説明しました。

分かりやすく砕いて話すと、

「自分で選び選択したことが自分の望むことに合っている」

ということです。

つまり「こうありたい」という自分の望みに沿って行動を選択できていることです。

「だからそれは思い通り好き勝手にできることでしょ?!」

って声が聞こえてきそうです。

分かりやすい例をひとつ。

あなたはダイエットをしたいと思っています。

今より10キロ痩せて、あのかわいい服を着れるようになりたい。

そう思ってダイエットすることを決意しました。

ある時、目の前に大好きなチョコレートの山が!

あなたはそれを食べますか?

この時、食べるのことが「自由」なのか?

食べないことが「自由」なのか?

はたまた、どちらも選べることが「自由」なのか?

答えは、

「食べないこと」が自由です。

「食べること」は不自由な生き方です。

自由とは「自らをもって由となす」ということでした。

私が「由となす」のはダイエットすることです。

チョコレートを食べることは、

その場の衝動的欲求に支配された不自由な行動

というわけです。

だんだん、イロハの言っている「自由」の意味が分かってきたでしょうか。

「自由」ってラクなものではなく、実はとっても過酷なものなんです。

だから多くの人が不自由な生き方をして文句を言っているんです。

自由の怖さや過酷さを実は無意識で知っているからです。

話をイロハに戻します。

本当にご自身が「好き勝手して、ダラダラと怠けて過ごしたい」と望んでいるのであればそうしていただきます。

だってそれが自分の望むものだからです。

でもそういう方は就労支援施設に来る必要はありませんよね?

ご自宅やどこか仕事しなくていい場所でいいわけですよね。

イロハに来る方々は大前提として「仕事したい」があります。

「仕事したい」けどできなくて困っている人、苦しんでいる人が来る場所です。

ですから、予定通り通えない、遅刻する、仕事せずダラダラ過ごす、横になっている、おしゃべりして過ごすは、

まだまだ「不自由」な状態なんです。

つまりそれはイロハの中では、

「自由」になるための準備中

なんです。

決して自由な状態ではありません!

自由になるための準備中なのだから、

「仕事サボっても大丈夫」という安心の環境が必要なんです。

その中で少しずつ「自ら」が自分のありたい姿に向かって行動を選択していくようになるのです。

それがイロハニトイロの「自由」の意味です。

お分かりいただけましたでしょうか?

ですので、イロハでは多くの方々が退所されていきます。

この「自由」な環境に耐え切れず辞める方もいらっしゃれば、

別のお仕事を見つけて新しい環境へのステップアップとして辞められる方もいらっしゃいます。

いずれにしても「退所」は自らの意志で辞めていただけることが大切だと思っています。

そして再度必要になれば、自らの意志で戻ってきてくださればいいと考えています。

最後までお読みいただきありがとうございます。

        イロハニトイロ所長

             金村栄治