イロハニトイロ

vol.44ー⑩【対話】何のために対話している?

前回の続きになります。

ここからは、「自分は人に寄り添い、話を聞き、対話ができている」と思い込んでいた金村が、いかに対話ができていなかったのか、ということについてお話しさせていただこうかと思います。

「対話できていなかった」ことに気付けたということは、本当の対話が何のかが少しずつ見えてきた、ということでもあります。

そしてその「対話」こそが、「心=本当の自分」を癒すことになり、病気が必要でなくなっていくことに繋がることに気付けた、というお話しです。

(もちろんまだまだ学びの旅の最中ですので、分からないことだらけです。)

さて、私たちは何のために「対話」をするのでしょうか?

「対話が大事」って言うけど、なぜしているのでしょうか?

一番に頭に思い浮かぶのは、

「自分の事を知ってもらうため」

「相手の事を知るため」

ということですかね?

僕もずっとそう思っていました。

きっとここまではだいたいみんな考えるのは同じではないでしょうか?

それでは

「自分のこと知ってもらう」 「相手のこと知る」

それで何をしようとしているのでしょうか?

ここからは金村個人の感覚で勝手に話します。

金村は、対話を通じて相手とより良い関係を築こうとしていると思っていたんです。

もしかすると、ここは同意してくださる方が多いかもしれません。

でもその後です。

「良い関係」って何なんですか?ってことなんです。

金村は「良い関係」ってひとことで言うと「仲良しになる」ってことだと思い込んでいたんですよね。

そしてその「仲良し」が “自分と同調し合えること” だと思っていたんです。

そうするとですね、対話中にどんなことが起こるかというと、

「頭」でたくさんのことを考えているんです(「心」ではなく「頭」です)。

僕が頭の中で考えることは、

「どうすれば自分の事を“良く”思ってくれるだろう?」

「失礼なこと言って嫌われたら嫌だから、本音は言わないでおこう」

「どう言えば相手は喜ぶだろう?」

「どう言えば失礼じゃないだろう?」

「どういうこと話せばお互い気持ち良くなれるだろう?」

「僕との共通点は何だろう?」

「相手はどんな人だろう?あれ?なんか自分と考えが違う?」

「その考えおかしいよな。どうやって論破してやろう。」

「あ。僕を否定している?なんか嫌な人。こっちだって」

などなど

相手の話よりも自分が何を言うかばかりを考えて話を聞いているし、

自分の「心」よりも「頭」で論理的に考えてより良い言葉を探しているんです。

そして相手の言葉を論理的に拾って、それに論理的に返そうとしている自分がいるわけです。

あれ?「心」は?

「本当の自分」は?

どこで語っているの?

あれ?語ってない。

湧き起こる感情や思いも言葉にすることはなく、自分の中に押し込めている。

なぜ語らないの?

語らないのは相手のため?

相手に気に入られるため?

相手と同調するため?

そうなんです!

僕はずっと「対話」というものを

「ハーモニー(調和)」

だと思っていたんです。

相手と仲良くなるため、自分が嫌われないため、この集団に所属するために対話をしていると思っているわけですから、相手との調和が重要でしょ!

と思い込んでいたんです。

でも本当の「対話」って

“ハーモニー”

ではなく

“ポリフォニー”

だったんです。

え?ポリフォニーなんて聞いたことないですか?

大丈夫です。

僕もそうでした。

初めて聞いた時は、

「え? なになに? 何それ? どういうこと?」

って感じだったんです。

でもその言葉の意味を知った時に、本当の「対話」が何なのかがより理解できるようになった気がしたんです。

その説明を次回にさせていただければと思います。

ちなみに “ポリフォニー” とは、

簡単に言うと「多声的」ということです。

いろんな違った声があっていい。

いろんな声が入り混じって存在するような状態です。

         イロハニトイロ所長

              金村栄治