イロハニトイロ

vol.44-⑯【最終回】だから対話なんだ!

こんにちは。

今回で「対話」についてのお話も最後になります。

ここまで読んでくださった方には、きっとイロハが「対話」を大切にしている理由が伝わっていることだと思います。

しかし、やっぱり頭の片隅に残る疑問。

それは

「就労支援施設でそれは本当に必要なの?」

ということについてお話して終わりにしたいと思っています。

「就労支援施設なのだから働く練習をすればいいじゃないか!」

「対話の時間があるのであれば、何か利益を生み出す仕事をして工賃アップに繋げればいいじゃないか!」

「仕事以外の時間や場所で存分に対話すればいい!」

「一般的な職場ではそんな対話の時間なんてない。与えられた仕事を業務時間内にこなすのが当たり前!」

「就労支援と対話は別物じゃないの?!」

そんなことを思わないでしょうか?

これらは僕の中で沸き起こってきた疑問でもあります。

こういう疑問と向き合いこれまで悩み考え進んできたのです。

(もちろん今も正解かどうかなんて分かっておらず、日々悩み続けています。)

今の僕が出した答え!

それは、

対話の時間がもたらすものは、

“生き方の転換”

だと思っています。

簡単に言うと、

「他人軸」中心の生き方から

「自分軸」中心の生き方へ。

そして「自分軸」中心に生きられるようになった方は、

仕事にも「自分軸」で取り組んでいきます。

周囲の人間とも上手に連携を取っていきます。

そういう方々は、仕事への姿勢が違いますし、困難に向き合うたくましさを持つようになります。

どれだけ仕事の技術を磨いても、この部分があるのと無いのとでは大違い!

むしろこちらを土台として持てているとどんな仕事も本人の意思次第で取り組んでいけますし、

病気になるまで自分を否定して酷使することがなくなります。

だからこそ仕事の技術を磨くこと以前に、就労訓練に最も大切なことなのではないかとイロハニトイロでは考えているのです。

そしてそして、そういう方々は病気すらも必要でなくなっていきます

この「私」で、この「私の人生」を「私らしく」生きるようになっていくからです。

そんな姿を間近でたくさん見させていただいており、それが僕の一番の学びでもあります。

(こんな経験をさせていただけて、ホント幸せなことです。メンバーの皆さんありがとうございます)

この「対話」シリーズの最初のほうで僕は言いました。

医者が病気を作る

支援者が障害を作る

社会が差別を作る

そして

私が私を作る

まさに、

“私を取り戻していく”

そんな力が「対話」には秘められていると感じています。

“だからイロハニトイロは対話なんだ”

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

次回は、「自分軸」と「他人軸」について少し解説させていただきたいと思います。

     イロハニトイロ所長

          金村栄治