イロハニトイロ

vol.43-③【資本主義】仕事の報酬はお金だけ?

こんにちは。

前回の続きです。

どうして私たちは心や体を壊すまで働いてしまうのでしょうか?

「日本人は働き過ぎだ!」なんて言われていますが、

わかっていてもどうしてやめられないのでしょうか?

なんか不思議じゃありませんか?

もちろん日本の文化や国民性もあるかと思います。

(「働かざる者食うべからず」「石の上にも3年」「他人様に迷惑かけるな」などなど)

でも一番の理由は私たちが“自由”だからなんです。

資本主義社会の中で“自由”に働けるようになったからなんです。

???

「何を言っているの?」って感じですよね。

以前の日本のように生まれながらに身分が決まって仕事が決まっていた時代は、

言われたことをやっていれば良かったわけです。

農家で生まれれば農家を営むし、商人の家なら商売の仕事をしていたわけです。

でも今は自由に仕事が選ぶことができます。

それは大変すばらしいことです。

しかしそうなると、何が生まれるのか?

それは、

自分でこの仕事を選んだという「自負」

仕事がなくなると生きていけなくなるという「恐怖」

与えられた職務を全うしなければならないという「責任」

が生まれます。

これらのものが「重荷」となって私たちの肩にのしかかっています。

だから簡単に仕事を辞められないし、心や体が壊れるまで人は頑張ってしまうんです。

『“責任”の感情を持って仕事に取り組む労働者は、無理矢理働かされている奴隷よりよく働くし、いい仕事をする。そしてミスをしたら自分を責める。理不尽なことさえも受け入れて自分を追い詰めてしまう。』

じゃあ、どうすればいいの?

どのように働けばいいの?

ここの答えは人それぞれです。


個々で悩んでいく必要があります。

だって働き方や働く目的や価値観はみんな違うからです。

ただ、仕事の報酬が「お金」だけではないことを知っておくと視野は広がると思うんです。

報酬がお金だけなのだとしたら、「お金」をもらうためには多くの我慢をする必要があります。

我慢して一生懸命働くからお金がもらえる。

と考えてしまうと、さらに心や体を壊してしまうことになりかねません。

“お金以外の報酬”にも目を向けられると「働く」ことについての姿勢も変わってくるのではないでしょうか。

それではお金以外の報酬とは何なのでしょうか。

聞くと「そんなことか。そんなの分かっている」と思えるようなことばかりかもしれません。

でもついつい私たちは見落としがちなんですよね。

改めて4つ挙げたいと思います。

①『働き甲斐』

  日本において「働く」とは、「傍」(はた)を「楽」(らく)にすることと言われます。

  つまり「働き甲斐」とは、誰かを楽にしたこと、世の中を幸せにしたことの喜びに他ならないのです。

②『職業人としての能力』

  近年よく言われている「スキルアップして給料をアップする」という意味や「自分を磨いて、自分の商品価値を上げる」という意味ではありません。

  日本においては、「腕を磨くこと」そのものが喜びであり、報酬であるという価値観があったのです。

③『人間としての成長』

  仕事において直面する苦労や困難も、単なる「不運なトラブル」と考えるのではなく、自分の成長のために天から与えられた「試練」であると考える文化が日本にはありました。

  日本企業において「人間としての成長」は、ある意味で働くことの最高の報酬だと考えられてきました。

④『職場の仲間との出会い』

  日本企業の職場において、職場の仲間と力を合わせ、心を一つにして一生懸命働くことによって、その縁が深まっていくことを尊いこととして考える文化がありました。

お金も大事なのですが、それ以外のものにこそ価値を置きたいなといつも考えています。

そしてその後にお金がついてくる。

そんな順番が理想だな、と。

なんだかんだ言っても、やっぱり私たちはこの「資本主義社会」の中で生きています。

それを無くすことは今のところできません。

それならその仕組みを少しでも理解し、その仕組みの犠牲にならないように自分を守る知識と技術を身に付けることが大切だと思っています。

最後にある方がおっしゃっていた言葉が印象的だったので、それを書いてこのブロックの最後にしたいと思います。

『お金は空気みたいなもの
 空気がないと私たちは生きていけないが、呼吸をするために生きているわけではない。
 確かにお金がないと私たちは生きていけないが、お金の為に生きているのでは決してない。』

最後までお読みいただきありがとうございました。


             イロハニトイロ所長

                  金村栄治