vol.41 所長はポンコツで弱い奴!
- 2022年12月20日
- 所長の学び
こんにちは。
イロハニトイロで所長をさせていただいている金村です。
これまで、イロハニトイロでの学びや悩み、そしてイロハはどういう場所なのかをブログでつらつら、うだうだと書かせていただいてきました。
そんな僕にどのようなイメージを持たれているでしょうか?
「所長」という肩書だけで、なんか偉い人みたいな間違った印象を与えてしまっているかもしれません。
僕は「所長」というのは、ただの役割だと思っています。
「包丁」や「大腸」と同じ、ひとつのただの役割です。
偉くもなんともありません。
ただ金村栄治という弱さをたくさん持った人間が、その役割をいただいてその中でもがいている。
ただそれだけの話です。
このブログのように外に向かって発するものは、ついつい自分や事業所を大きく、あるいは良く見せようとしてしまうものです。
ここらへんで、
このブログを書いている金村という人間の弱さを公開してもいいのではないかと考えたんです。
なんでそんなことを考えたかというと、
イロハニトイロが凄いところ、だとか良いところ、みたいな一方的な“思い込み”になって欲しくないからです。
そしてこのブログを書いている金村という人間に対しても同じです。
悪く誤解してくれている分にはいいのですが、“良いところ” “良い奴” と誤解されているのはちょっとどうかなと。
「凄い」「素晴らしい」「良い」っていう評価は嬉しいことではあるんですが、
その裏で、「凄くないといけない」「良くないといけない」みたいなメッセージにもなってしまうから実はしんどかったりもするんですよね。
国民栄誉賞を断った昔のプロ野球選手が
「そんなもんもらったら立小便もできなくなる」
と仰っていたそうですが、それに似ているかもしれません。
いや、イロハは「良くなろう」という支援をしない事業所です。
「良くしようとしない」支援をしています。
支援をしない支援をする事業所です。
そういう環境だからこそ、良くなっていくし、病気も必要でなくなるし、仕事ができるようになるんです。
「凄い」「素晴らしい」「良い」と一つの視点だけでイロハを捉えてしまうと、どんどんイロハの本質からかけ離れていってしまう気がすんです。
実はそこを懸念しています。
痛みや悲しみや苦しみや弱さや矛盾。
そんなのが大事なのに。
だからちゃんと所長をしている金村の弱い心を公開していきたいと思います。
これまでのブログを呼んできてくださった方は、
金村が当たり前や常識に流されずに立ち止まり考え悩み、より良い方法を模索し続けている、と思ってくださっているかもしれません。
(なぜなら、そう思ってもらえるような書き方をしているからです。カッコつけて。。。)
でもでも本当は不安だらけ。
周りからどう思われているんだろう?
変な奴と思われていないだろうか?
「人と違うことしている俺って凄いだろ」みたいなイキったやつに映っていないだろうか?
滋賀県一工賃が低い事業所?
めっちゃ馬鹿にされている?
お前はダメなやつだと思われている?
お前のやり方はおかしんだからもっと他の事業所を見習ってやっていけと言われている?
あーーー、怖い!
すぐに内職でも何でも取り入れて、たくさん働かせて、利用者さんをたくさん褒めて、気分良くさせてれば、自分もラクになる。
そうしたい。
逃げたい。
同僚の人も苦しいのかな?
そうだよね、面倒だよね、こんなことにつき合わせて。
ごめんごめん。
利用者の人たちもキレイな言葉で、優しい言葉で洗脳しているだけ?
だって工賃低いんだもんね。
これで本当に就労支援て言えるの?
あーーー、みんなと同じようにしていたらラク。
他の事業所と同じようにしていたらラク。
あーーーー、ラクになりたーーーい。
きっと僕の意図なんて他の人には伝わらないんだろうな。
なら最初から言わない方がいい。周囲に合わせておけばいい。
隠しておけばいい。
言葉にすれば批判されるだけ。
変な奴だと思われるだけ。
あーーー、ブログ書くの怖いーー。
カッコつけたくなるーーー。
責任なんか持ちたくないよーーー。
誰か、ああしなさい、こうしなさい、と導いて。
そうしたら失敗してもその人のせいにできる。
「お前が悪い」「お前の責任だ」「お前が変だから問題起こしているんだ」って、
きっと口に出さないだけでみんな思っているはずだよね。
あーー、利用者さんに嫌われたくない。
利用者さんが困っているとこ見たくない。
自分の権威を使って全てを支配できたらきっとラクなんだろうな。
結局は、僕は傷付きたくないだけ。
困りたくないだけ。
・・・。
実は金村の心にはこんな思いが少なからずあるんです。
だから強くもなんともないし、いろんな感情の渦の中で日々悩み考え人と語り合い進んでいるだけです。
でも、こんな思いに支配されずに済むのは、
自分の中にある決して曲げたくない信念(←またカッコいい言い方ちゃった)と、
少なからずこんな金村を「良い」と思い、考えに賛同し、共に語り合い意見し合ってくれる人がいてくれるからです。
だからやっていけているだけです。
毎日毎日、弱くて卑怯でゲスな自分の心がたくさん出てきてしまうんです。
そんな部分も大切な自分の一部なんだと受け入れ、これからもイロハニトイロという環境の中で皆さんと共に学びながら進んでいければと思っています。
どうぞ、こんなポンコツ所長の日々の学びや意見を書いたブログに今後もお付き合いください。
イロハニトイロ所長
金村栄治