イロハニトイロ

vol.29 悩みや問題なんて解決しなくていい?

こんにちは。

イロハニトイロで所長をさせていただいている金村です。

今回も「所長の学び」としてお話をさせていただきます。



僕はよくイロハニトイロのメンバーの方々、そして同僚の方々と話をさせていただくんですが、話している中でいろんな気付きを得ることが多いんです。


うーーん、もっと正確に言うと、言葉にできない頭の中のモヤモヤを、その人との対話の中で、フッと言葉として現れてくる、
そんな感じです。


あるいは、
本に書かれていたことが、頭の中では理解していても、まだちゃんと体では理解できていなくてフワフワしている時に、
対話の中で「あ、こういうことなんだ!」と納得する。
そんなことが度々あるんです。



そんな僕は、きっと皆さんにたくさん支援されて学ばせてもらって助けてもらっていて、
本当にありがたい毎日を送らせていただいていると思っているんです。


って、そんな僕のことはどうでもいいですよね(笑)



ちょっと前置きが長くなったのですが、
ここからが本題です。



先日イロハのあるメンバーの方と二人で話している中で、自分の口から出てきた言葉に自分で学んだ、というお話をさせていただこうと思います。



皆さんはこんな経験はないですか?

学校で、職場で、サークルで、家で、

自分以外の人に対して、

「もう!!何でそんなことするの?!」

「何でそんなこと言うの?!」

「どうして分かってくれないの?!」

「どうしてやってくれないの?!」

「普通はこうするでしょ?!」

「そんなの非常識!」

「あーーー!いつも自分ばっかりが苦しい思いをしている!」

「結局、私が我慢しなきゃいけないんだ!」

「悪いのはあの人なのに!」

「あー、私ってとっても可哀そう!」



いかがでしょうか?



少しは思い当たる事ありませんか?


以前の僕はこんなことばっかりでした。

だから、6個も職場を変わって来たんでしょうね。

「悪い上司」「悪い同僚」「悪い環境」

自分以外のせいにして!

一方で自分をいつも正当化して、

そうやって、たくさんの敵を作っていたんです。

イロハニトイロの中でもそういうことはたくさん起こります。

そりゃそうですよね。

いろんな人間が集まっているし、

その上、イロハは自由だから、明確なルールも行動を管理する者もいません。

だからこそ、不満だらけでトラブルだらけ。

そんな環境の中、いつものようにあるイロハメンバーからいくつかの不満が出てきました。

以前から、内容を変えながらも常に様々な事に不満を抱きつつ僕に訴えてくれていたのです。


それだけこの方は、真面目だし、頑張り屋だし、人の事を思って行動する気遣いがあるし、いろんなことを乗り越えようとする強さもある、そんな素敵な方なんです。

そう、とっても正しくてがんばり屋で優しい人!

なのに、

いや、だからこそなのかもしれません。

こんなに頑張っているのに、こんなに気遣っているのに、
思いどおりにならない出来事や他者に対して不満が募ってしまうんです。

この不満の強さの分だけ、
イロハへの思い、メンバーへの強い思い(分かり合いたい、仲良くなりたい、上手く付き合いたい)があるんだと僕は思っています。

こんな風に真面目で頑張っている人が、苦しんでいるのを見るのは、とても辛くもありますが、
僕は代わりに問題を解決してあげるようなことはしないんです。

これがイロハのスタンスです。


ここはどのスタッフも同じです。


「悩みや問題を作り出しているのはその人自身」

だから悩みは他者が解決しない。
いや、できない。

自分の悩みの解決の鍵は、自分自身の中にしかないんです。

そのことをみんなが自覚するようにしています


はい、ここからが今回の大事なところです!

僕に不満を話して下さるこの方(イロハメンバー)に、尋ねてみたんです。

「以前に訴えていた、不満は解決されたんですか?」

「それ(解決したの)は、どうしてですか?」

って。

すると、出てきた答えは、

「いつの間にか気にならなくなった」

とか、

「不満だったその人が私の事を大事にしてくれていると知って、こちらも好意を抱くようになったら気にならなくなった」

とか、

「もう、どうでもいいや、って思ったらいつの間にか忘れていた」

とか

「それよりも、もっと別の大変なことが出てきた」

とかとか。

悩みってそんなことで無くなったりするんですよね。

そしてそして、その方は続けてくれます。

「同じことをしていてもAさんがしているのは許せるけど、Bさんがしていると嫌に思ったりするんです。」

それを聞いて、金村の口から出てきた言葉は、

「ということは、その相手との関係性が関係しているってことなんですね。」

「なるほど、ということは、その相手の行動や出来事自体が重要なのではなくて、自分の不満や苦しみを作り出しているのは、その人との関係性ということなんですね。」

「ということは、目の前の出来事をどうこうしようと解決することよりも、その人との関係性を深めることが、不満の解消になるのかもしれないのかぁ。」

「きっと、自分の不満や疑念を相手に言葉にして伝えないままに、相手との関係を保とうと我慢して溜め込んできて、それがいつしか相手への不満感情として出てきてしまうのかもしれませんね。
そして、不満を出していると、ますます相手の事が嫌いになっていく。」

「ということは、相手の言動や行動で辛く感じた時に、こんな風に私は感じたんだけど実際はどうなの?って気軽に話せる関係や雰囲気が作れるといいってことですね。」

なんて、自分で話しながら、心の中で「おぉ!なるほどぉ!」と自分で納得。

そして僕は、
イロハのメンバーの皆さん、同僚の皆さんにそんな関係や雰囲気を作れているのだろうか?

いや、まだまだだなぁ。
なんて反省したりなんかして。

このようにして、メンバーとの対話の中で、僕はいつも自分が大事にすべきものに気付かされたわけです。

というお話しでした。

最後まで聞いていただいてありがとうございました。



具体的にどうやって、気軽に自分の不満を言いやすい関係や雰囲気を作るのかは、これからも模索し続けたいと思っています。


イロハニトイロ所長
金村栄治