vol.1 「多様性」とは何なんだ?
- 2019年06月25日
- 所長の学び
イロハニトイロには理念が2つあります。
一つ目が
『多様性を認め合い、そこから新しい価値を創造する』
2つ目が
『生命、生活、環境の循環を守り育てる』
どちらもとってもきれいな言葉です。
「多様性を認め合い」なんてとっても素敵なことだと思いませんか?
これ一緒に立ち上げたスタッフといっぱい考えて作ったんです。
でも、あんなに考えて作ったはずなのに、この「多様性」という言葉がなんかしっくりこないんです。
綺麗すぎる言葉が故に、なんか常に違和感を感じていて、「多様性」ってどういうことなんだろう?
多様性を認め合ったらどういうことが起こるんだろう?
なんかまだ疑問を抱えながらも、理念として掲げ出発したのです。
多様性… 多様性… 多様性…
みんなが違っていていいってこと。
分かってる。それは分かっているんだけど、、、う~~~ん、しっくりとこない。
気付きは突然起こる!!!
日々頭の片隅で疑問を持ちながら過ごしていたある日、こんな出来事に出くわすことになりました!
利用者の一人Aさんは、Bさんのことが嫌いなんです。
最初の印象から最悪。
その乱暴な言葉遣いが、嫌だし怖い。
その人がいるから、イロハニトイロに行けない。
Bさんの存在のせいで大好きな螺鈿細工もできない。
Bさんのことを考えると気持ちが沈む。
BさんがいることでAさんの生活は“不自由”を強いられていたのです。
僕はAさんの訴えにしっかりと耳を傾けるものの、何も操作はしませんでした。
嫌いな人がいるのもあり。あるがままです。
そんな状態で悩みながらAさんは日々過ごしていたのです。
3カ月がたったある日。楽しそうに話をするAさんとBさんを発見!
Bさんに仕事の手伝いを頼むAさん。
「いつでも言えよ」と快く引き受けるBさん。
えーーーーーー、どういうこと?
思わずAさんに僕は尋ねました。
すると、、、
ずっと嫌いだと思っていたけど、話してみたらそうでもなかった。
乱暴な言葉遣いも、彼の個性であり恥ずかしさの裏返しだとわかった。
今は作業所に来るのが楽しくなっている。
自由に作業所に来られている。
あーーーーー! こういうことなんだ!!!
多様性を認めるということは、より自由に生きられることなんだ!
それは自分でするしかないんだ!
他者を認められず、嫌な人を避けて過ごすということは、自分の人生がより不自由になるということ。
他者を認められるということは、他者に人生を縛られない、より自由な生き方ができるということ。
なるほど~~~。
スタッフが間に入ってその場は解決したとしても、きっと不自由さは続いていってたんだろうなぁ。
自分でBさんを認める覚悟をしたAさんはホント凄い!
これこそ本当の頑張りではなかろうかと僕は思う。
こんな頑張りにこそ意味がある。
Aさん、大きな学びをありがとう。
こんな学びが日々繰り返されています。
今後も少しずつ公開していきます。