イロハニトイロ

意味があって大事な時間⑧

生活支援員の大江です。

メンバーさんが自分のルーツについて語って下さり,

それを聞かせて頂く機会がありました。

家族に対しての思い、

小学生や中学生の時のしんどかった体験、

社会人になってからのつらい体験。

時折言葉をつまらせながら、

涙をうかべながら、

本人さんなりの言葉で一つ一つ語ってくださいました。

それを聞いていた他のメンバーさんからも、

話を聞いて感じたことや沸き起こってきた思いを聞くことができました。

始まる前に私はそのメンバーさんに、

他者の前で自分のことを話すということについて

「緊張しますか?」と問いました。

そのメンバーさんは

「緊張はしていません。話したいことがいくつもあって、、、どれから話そうかなと思っています」

と話してくださいました。

その時の表情がとてもキラキラしているというか輝いているというか。

私からは、他者の前で自分の話をすることについて

わくわくしているようにも見えました。

実際語っておられる姿は、普段のメンバーさんの様子とは違っているように感じました。

頭の中に記憶として残っている場面、

楽しかった出来事、

辛かった思い出、

心の中にある当時の思い、

そして現在はどう思っているか。

ぐっと、言葉を詰まらせたり少しの間や沈黙があったり。

涙をこらえながらでも沸き起こってくる思いを言いたい、

そんな様子が感じられました。

なんというか、

そのメンバーさんの人となりというのか

知らなかった部分を知れた気がするし

すごく新鮮な気持ちです。

語り終わった後に

「話したいと思っていたことを話せました」

とすっきりした表情で話されていたことがとても印象的です。

イロハにいると

自然と対話について考える機会が多くあるのですが、

対話の中でも沈黙とかちょっとした間などは

すごく意味があって大事な時間なんだと改めて感じます。

スラスラと話すことは

それはそれですごく素敵なことだと思うのですが、

次の言葉がなかなかでてこなかったり

噛んでしまったりしどろもどろになったり

そんな時にこそ、その人の

「言いたい」

「話したい」

「聞いて欲しい」

という心の中にある本当の思いがみえてくるのでは、

と思うのです。

相手の言葉やちょっとした間やちょっとしたしぐさ、

表情の変化や沈黙を大事にできる自分でありたいと感じました。

んー、、、相手だけではないですね。

自分の言葉も含め、

自分のちょっとしたしぐさや表情の変化も意識したいです。

今日は改めてそんなことを感じました。

2022年9月28日

生活支援員 大江裕美